1 1-212ずっと昔、士師(王国設立までの軍事的・政治的指導者)がイスラエルを治めていた頃のことです。 イスラエルを大ききんが襲いました。 そのため、ベツレヘム出身のエリメレクは、家族ともどもモアブに移り住んだのです。 妻の名はナオミといい、二人の間にはマフロンとキルヨンという息子がいました。 3ところが、モアブで暮らしている間にエリメレクは死に、ナオミと二人の息子があとに残されたのです。 4-545やがて二人は、モアブの娘と結婚しました。 マフロンの妻はルツ、キルヨンの妻はオルパといいました。 ところが、イスラエルを出てから十年が過ぎ、二人の息子も死にました。 ナオミは夫ばかりか息子にまで先立たれ、とうとう一人ぼっちになりました。 67しかたなく、二人の嫁を連れてイスラエルへ帰ろうと決心したのです。それというのも、故郷は神様のおかげで、再び大豊作に恵まれたと伝え聞いたからでした。 8 しかし、帰郷の途について間もなく、ナオミは考えを変え、二人にこう言い聞かせました。 「ねえ、あんたたち、私について来るより実家へお帰り。 息子たちや私によくしてくれてほんとにありがとう。 9いい再婚の相手が見つかるようにお祈りしてますよ。」 ナオミが別れの口づけをすると、二人はわっと泣きくずれ、涙ながらにすがりつきました。 10 「そんなことおっしゃらないで、お願いですから、お義母様といっしょに行かせてください。」 11 しかしナオミは、首を横に振るばかりです。 「いいえ、いけません。 お里へ帰ったほうがしあわせですよ。 もうあたしには、あんたたちの夫になれるような息子がいないんだからね〔当時、夫に先立たれた嫁は、前夫の弟と結婚することになっていた〕。 12さあ、里へお帰り。 私は今さら再婚できる年でもないし、かりに再婚して、今夜にでも身ごもって息子を産んだとしても、 13その子が大人になるまで待てるもんじゃありませんよ。 そうでしょう。 もうあたしを苦しめないでちょうだい。 あんたたちにつらい思いをさせたことで、もうじゅうぶん神様から罰を受けたつもりですよ。」 14 二人はまた、声をあげて泣きました。 それからオルパは、泣く泣くしゅうとめに別れの口づけをし、郷里へ帰って行きました。 しかしルツは、何としてもナオミのそばから離れようとしません。 15 「ほら、オルパは里へ帰って行ったじゃないの。 あんたもそうおし。」 16 「お願い、お義母さん、あたしを放り出さないで。 お伴させていただきたいんです。 お義母さんといっしょに暮らしたいんです。お嫁に来た以上、あたしもイスラエル人です。 イスラエルの神様はあたしの神様です。 17どうかいつまでも、おそばにおいてください。 あたしたちを引き離すものは死だけですわ。 もしおそばを離れでもしたら、神様が、どんなにでも罰してくださいますように。」 18 ナオミは、ルツの決心が堅く、これ以上説得してもむだだと知ると、もう何も言いませんでした。 19こうして二人はベツレヘムへ帰り着き、村中がそのことでわき立ちました。 女たちは、「まあ、ほんとうにナオミさんかい」と大騒ぎです。 20 しかし、ナオミはこう答えました。 「お願いだから、ナオミなんて呼ばないで。 マラって呼んでちょうだい〔ナオミは『心地よい』、マラは『つらい』の意〕。 だって全能の神様に、ずいぶんつらい目を見させられたんだもの。 21あんなに意気揚々と出て行ったのに、無一文で連れ戻されたってわけよ。 神様に見捨てられてこんなに禍をこうむったあたしを、どうしてナオミなんて呼ぶの!」 22 二人がモアブからベツレヘムへ帰り着いたのは、ちょうど大麦の刈り入れが始まったころでした。
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