6 1 まもなくイエスはその地方を去り、弟子たちを連れて故郷の町ナザレに帰られました。 2-323次の安息日に、会堂へ出かけて話をなさると、聴衆はその知恵と奇蹟にすっかり驚きました。 イエスのことを、自分たちと同じ、ただの田舎者だと思っていたからです。 「あいつのどこがおれたちと違うというんだい。 ただの大工のせがれじゃないか。 母親はマリヤだし、ヤコブやヨセやユダやシモンは兄弟だ。 妹たちだって、おれたちといっしょにここに住んでるじゃないか。」町の人たちはイエスに腹を立てました。 4 そこで、イエスは言われました。 「預言者はどこででも尊敬されます。 ただ、自分の故郷、親族、家族の中では別です。」 5 こうして、人々の不信仰のために、ほんのわずかの病人に手を置いて治されただけで、そこでは何一つ大きな奇蹟を行なえませんでした。 6イエスは、自分を信じようともしないナザレの人たちの態度に、驚かれました。 このことがあってから、イエスは付近の村々を巡り歩いて、お教えになりました。 7また、十二人の弟子を呼び、悪霊を追い出す力を与えると、二人ずつ組にして送り出されました。 8-989そして、携行品は杖だけにし、食料も旅行袋も、お金も、はき替えのくつも、着替えの下着も持って行ってはいけませんと、注意されました。 10 また、続けて言われました。 「どこの村ででも、一軒の家に泊まるように。 あっちこっちと家々を渡り歩いてはいけません。 11もしその村が、あなたがたを門前払いにし、あなたがたのことばに耳を貸そうともしないなら、そこから出る時、足のちりを払い落としなさい。 それは、その村を滅びるに任せたというしるしです。」 12 こうして、弟子たちは出て行き、出会ったすべての人に、悔い改めて神に立ち返るようにと教え、 13多くの悪霊を追い出し、オリーブ油を塗って大ぜいの病人を治しました。 ヨハネの死 14 イエスの奇蹟は至る所で話題になったので、まもなく、ヘロデ王の耳にも入りました。 王は、このイエスがバプテスマのヨハネの生き返りだと考えました。 そして人々も、「だからこそ、イエスにはあんな奇蹟ができるのだ」とうわさしました。 15中には、預言者エリヤが生き返ったのだと考える者もあり、いや昔の偉大な預言者たちのような新しい預言者だ、と主張する者もありました。 16 しかしヘロデは、「いや、あれはわしが処刑したヨハネに違いない。 ヨハネが死人の中から生き返ったのだ」と言いました。 17-181718実はこのヘロデが、兵士たちに命じて、ヨハネを捕らえ、投獄したのです。 ヨハネがヘロデに、兄嫁のヘロデヤを横取りするのはよくないと抗議したからです。 19ヘロデヤはその腹いせに、ヨハネを殺してやろうと思いましたが、ヘロデの許可なしには、何の手出しもできません。 20ヘロデが、ヨハネを正しくきよい人物だと知って、尊敬し、保護していたからです。 ヘロデはヨハネと話をすると、決まって不安にかられましたが、それでも好んで聞いていました。 21 ところが、とうとうヘロデヤに絶好のチャンスが訪れました。 それはヘロデの誕生日のことでした。 王は、宮中の高官、高級将校、ガリラヤ地方の名士などを招待して、宴会を開きました。 22その時、ヘロデヤの娘が居並ぶ客の前で舞をまい、一同をたいそう楽しませました。 喜んだ王は、「ほしいものはないか。 なんなりと申せ」と言い、 23その上、「国の半分をやってもよいぞ」と誓ったのです。 24 娘は出て行って、母親と相談しました。 すると母親は、しめたとばかり、「バプテスマのヨハネの首をいただきたいと申し上げなさい」と入れ知恵しました。 25 娘は、王の前に進み出ると、「今すぐ、バプテスマのヨハネの首を、盆に載せていただきとうございます」と言いました。 26 王は困ったことになったと心を痛めましたが、誓ったことでもあり、また一同の手前もあって引っ込みがつきません。 27やむなく護衛兵に、獄中のヨハネの首を切り、その首を持って来るように命じました。 兵士は言われたとおり、 28ヨハネの首を盆に載せてきて、ヘロデヤの娘に渡しました。 すると、娘はさっそく、それを母親のところへ持って行きました。 29 ヨハネの弟子たちはそのことを聞くと、遺体を引き取り、墓に葬りました。 五つのパンと二匹の魚 30 さて、十二人の弟子は旅を終えてイエスのもとに帰り、自分たちのしたこと、また行った先々で人々に教えたことなどを、くわしく報告しました。 31 イエスは弟子たちに言われました。 「さあ、しばらく人ごみを避けて休みましょう。」イエスのもとには人の出入りが多く、食事をする暇もなかったからです。 32彼らは舟に乗り、静かな場所へ出かけました。 33ところが、大ぜいの群衆がそれと気づき、岸づたいに走って行って、一行が上陸するのを待ちかまえていました。 34舟から上がられたイエスの前には、大ぜいの群衆がたむろしていました。まるで羊飼いのいない羊のような群衆を見て、イエスは深くあわれみ、いろいろなことを教え始められました。 35-363536午後も遅くなって、弟子たちがイエスのところに来ました。 「先生。 この人たちに、近くの村や農場へ行って、めいめいで食べ物を買うように言っていただけませんか。 こんな寂しい所では、何もありません。 それに時刻も遅いことですし……。」 37 しかし、イエスは言われました。 「あなたがたが、この人たちに食べ物をあげるのです。」 「何ですって! いったい何を食べさせたらいいんですか。 この大ぜいの人たちに。 そんなことをしたら、破産してしまいますよ。」 38 「手持ちの食べ物がどのくらいあるか、見て来なさい。」こう言われて、弟子たちは調べに行きました。 その結果は、パンが五つと魚が二匹あるだけでした。 39-403940イエスは、群衆に座るようにお命じになりました。 まもなく、五十人から百人ほどの色とりどりのグループが、それぞれ一団となって緑の草の上に座りました。 41 イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げて、感謝の祈りをささげると、パンをちぎって、人々に配るよう弟子たちに手渡されました。 魚も同様になさいました。 42群衆は、もうこれ以上は食べられないというほど、たらふく食べました。 43-444344その場で食事をしたのは、男だけでも五千人はいました。 あとで草の上のパンくずを拾い集めると、なんと十二のかごにいっぱいでした。 45 それからすぐ、イエスは弟子たちに、舟に戻り、先にベツサイダまで行くようにお命じになりました。 あとで弟子たちと落ち合うつもりで、イエスだけその場に残り、群衆を解散させられたのです。 46 そのあと、イエスは山へ登られました。 祈るためです。 47夜になり、舟に乗った弟子たちは湖の真ん中までこぎ出していましたが、イエスはただ一人、陸地におられました。 48ふと、ごらんになると、弟子たちは向かい風と波のためにこぎあぐね、危険にさらされています。 夜明けの三時ごろ、イエスは水の上を歩いて彼らに近づき、そのままそばを通り過ぎようとされました。 49ところが、弟子たちは湖上を歩くイエスを幽霊と見まちがい、恐怖のあまり大声をあげました。 50皆が、おびえてしまったからです。 イエスはすぐに、「安心しなさい。 ほら、わたしです。 こわがることはありません」と声をおかけになりました。 51イエスが舟に乗り込まれると、風はぴたりとやみました。 弟子たちは訳がわからず、ただぼんやりと座っているだけでした。 52前日の夕方、あれほどの奇蹟を目のあたりにしながら、弟子たちには、イエスがどんな方か、まだわかっていなかったのです。 彼らは、初めから信じようとしていなかったからです。 53 一行は、湖の向こう岸のゲネサレに着き、舟をつなぎました。 54彼らが舟から上がると、人々はすぐにイエスだと気づき、 55その地方全体に、イエスがおいでになったとふれ回りました。 寝たままの病人が次々にイエスのもとに運び込まれました。 56イエスがおいでになると、村でも町でも農場でも、人々は病人を広場に寝かせ、せめて着物のすそにでもさわらせてやってくださいと、必死に願うのです。 こうして、さわった者はみな治りました。
Can i read the Bible on my phone/tablet?
Selected Verses