6 1-212さてその夜のこと、王はどうしても寝つかれません。 しばらく読書でもしようかと、書庫から王国の記録文書を持って来させました。読み進むうち、ある項目に目が行きました。 門の警備に当たっていた役人ビグタンとテレシュが企てた、王の暗殺未遂事件のところです。計画が未然に防げたのはモルデカイの手柄だとあります。 3 王はそばにいた者に尋ねました。 「このモルデカイに何かほうびを取らせたかな。」 「何も取らせてはおりません。」 4 「だれか外庭で勤務についている者はおらんか。」 王がこう言った時、例の絞首台にモルデカイをつるす許可を得ようと、ハマンが城の外庭にさしかかったところでした。 5 そこで家来は答えました。 「ハマン様がお見えです。」 「ちょうどよい。 ここへ呼べ。」 6ハマンが来ると、王はさっそく話を切り出しました。 「余の眼鏡にかなった者には、どんな栄誉を与えたらよいものかな。」 ハマンは心のうちで思いました。 「きっと私のことだぞ。 私以外に、陛下が栄誉を与えたいと思う者などいるはずがないからな。」7-878そこで、わくわくしながら意見を述べました。 「陛下ご着用の王衣、それにご愛馬と王冠をおとりそろえください。 9そして、最も身分の高い貴族の一人にその人の世話をさせてください。 つまり陛下の服を着せ、ご愛馬に乗せ、くつわを取らせて通りを引いて行かせるのでございます。 その時、『陛下のおこころにかない、このような栄誉を賜わったのだ!』とふれさせてはいかがでしょう。」 10 「名案じゃ!」 王は思わずひざを打ちました。 「大至急、王衣を持って来させ、余の馬を引いて来て、そのとおりにしてくれ。 果報者は宮廷務めのユダヤ人モルデカイだ。 よいな、いま言ったことを、そっくりそのまま実行するのだぞ。」 11 なんということでしょう。 しかしどうにもなりません。 ハマンは王衣をモルデカイに着せ、王の愛馬にまたがらせ、くつわを取って通りを引き歩きながら、「陛下のおこころにかない、このような栄誉を賜わったのだ!」と叫びました。 12 そのあと、モルデカイは勤務に戻りましたが、おさまらないのはハマンです。 何とも言えないみじめな気持ちで家へ逃げ帰りました。13これからどうしたものでしょう。 何はさておき、妻のゼレシュや取り巻き連中に、事の次第を話すしかありません。 一同は頭をかかえるばかりです。 「まずいですな。 モルデカイがユダヤ人だと陛下に知れた以上、あいつを亡き者にする計画はおじゃんですよ。 いつまでも目の敵にしていたら、かえって命取りになりますよ。」 14 あれこれ知恵をしぼり、善後策を講じている最中に、王の使いが来て、エステルの設けた宴会へ出向くようせき立てました。
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